Japanische Klassiker mit Furigana
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あのかお
あの顔
林 不忘
Lesen Sie あの顔 (あのかお) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.813 Zeichen · 30 Bildschirme
変らないのは、その古寺の近くに誰かが待っていて、自分はその人に呼ばれて、惹かれて、こうして急いでいるのだという、抱きしめたいような感情だけだった。
「ほんとに、あんな変な夢ったら、ありゃあしない。」
下町の女らしく、お久美は、ちょっと伝法に、剃りあとの青い眉をひそめた。
「どうしていつも同じ夢ばかり見るんだろう。でも、たかが夢じゃあないか。それに、べつに海へ飛びこむの、お墓からお化けが出るのと、そんな不吉な夢じゃあなし、いいよ。気にしっこなし!」
叱るようにこころに繰り返して、やっと晴ればれしかけたが、あの、夢で自分を待っているような気のする男というのは、誰だろう? ふとそう思うと、かの女は、不必要にどきりとした。
考えまい。考えないことにした。いくら考えても、わかるはずがないのだった。お久美の意思が、そう固くきめられたとき、簾戸があいて、庄吉の元気な顔が、茶の間へはいって来た。
若わかしい、恰幅のいい庄吉だった。驚くべく夢とは関係のない、およそ現実な存在だった。
お久美は、たのもしかった。ふり仰いで迎えた眼に、やわらかい媚びがあった。
「どうなさいました。