Japanische Klassiker mit Furigana
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いさましいはなし
いさましい話
山本 周五郎
Lesen Sie いさましい話 (いさましいはなし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.835 Zeichen · 73 Bildschirme
笈川玄一郎を送るために、親しい友達なかまで別宴を張って呉れたが、集まった七人のうち三人まで国詰になった経験があったから、話はしぜんその方面のことでもちきり、なかばからかいぎみの忠告や意見がしきりに出た。
「なにより困るのはすぐ刀を抜くことだ、議論に詰るとすぐ決闘だからな、絶えず決闘がある」
萩原準之助が云った。
「――尤もどっちか少し傷がつくと、勝負あったでひきわけになるんだが、議論のほうもそのままひきわけだからね、結果としてはなんにもしなかったと同じなんだ」
「あれが自慢のお国ぶりなんだ、もっとも武士らしいやりかただと思ってる」
「もうひとつふしぎなのは女たちの威勢の強いことだね、威勢というより権力にちかいものだ」井部又四郎がそう云った。
「――夫人や令嬢たちが幾つも会をもっていて、音曲や茶や詩歌の集まりをするのはまあいい、堂々と男を客に招いて酒宴を催すのにはびっくりしたよ」
「おまけにあの傲慢な男たちがみんな一目おいているからね、道で上役の夫人などに会うとこっちから挨拶をする」
「それを怠るとあとが恐ろしいんだ」
玄一郎は、苦笑しながら盃を取った。
「もうそのくらいで充分だ、あんまりおどかさないで呉れ」