Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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いしがおごる

いしが奢る

山本 周五郎

Lesen Sie いしが奢る (いしがおごる) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.304 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

「掬水亭のおたけさんかね」

「外島とおいしとのことも彼女が話してくれました、外島というのはいやな奴で、二人のあいだには約束があるだけなんですが、すっかりもう情人気取りで、小遣なんかせびるだけせびっているということです、夫婦になったらさぞ泣かされるだろうと云っていましたよ」

「外島は八幡屋たちに貢がれてるんじゃないのか」

「足りないんですね、縞の財布が空になる土地ですから」堀は顔をしかめた、「来たときから女にだらしのないやつだったそうです」

保馬は勘兵衛の顔を見た。

「おたけ女史は信用できるのか」

「私は浮名は立てませんがね」

「するとつまり、辣腕なんですな」保馬はそう云って調書を見まわした、「――だいぶ出揃ったが、そろそろ役所のほうと突合せにかかるかな」

「気づかれないうちのほうがいいですね」

「いやな役目だ」保馬は眉をひそめた、「誰かがしなければならない。藩ぜんたいの浮沈に関するので、やむを得ないことはわかるけれども、こんな仕事はじつにやりきれない、早く片づけて帰りたいものだ」

堀や仲田はなにも云わなかった。

その夜は保馬にとって寝苦しい夜であった。それに続く数日も、彼は引立たない気分ですごした。