Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
だからなのだと思っていたにちがいない。思いつづけていたにちがいない。
「なまけ者」は逆に、働いても働いても食えない貧乏人を、悲惨な生活に陥れていることでヌクヌクと遊んでいられる少数の人たちなのだ。その恐ろしい真実を俺は本を読んだことで知ったのである。学校へなど行くと、ろくなことはないと、おやじが言ったのは、こうなると、いくらか当っていたようだ。
俺はそのころ、近所の貧しいが美しい少女に、淡い恋心めいたものを寄せていた。もちろんこっちだけの片想いである。
肺病やみらしい蒼い顔をした父親は、新聞紙に包んだ弁当箱をかかえて、毎朝、割引電車でどこかの工場へ通っていたが、それが少女の母親に言わせると「甲斐性なし」で、母親も赤羽橋の煙草工場に働きに行っていた。母代りに弟たちの面倒を見ていた少女も、やがて口べらしに、どこかのお屋敷へ女中奉公に出た。小間使いという言葉があって、それになったのだ。きりょう良しのせいか、台所女中でなく、お座敷女中になった少女は、藪入りに家へ帰ってきたときなど、見ちがえるような美しさになっていて、俺をどきどきさせたが、間もなく若旦那さまの手がついて、家に戻された。