Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
その二 雪中放牧
おてきも、どうだ、出てこねえかよ。出てこいよオ。
「さみしいなあ」
と俺はつぶやいた。さびしいじゃなく、さみしいと言わないと、俺の実感が出ない。汽笛の音はさみしく、濃霧に包まれた街もさみしいが、俺がさみしいと言ったのは俺自身のことだった。
生きたい、生きようとあれほど思った俺だが、生きることが今はさみしい。これが生活に根をおろしたということなのか。それはこんなにもさみしいことなのか。
波子がそばにいなかったら、俺は到底こんなさみしさには堪えられないだろう。と言うことは、俺の巻き添えを食わせて、波子にもさみしいおもいをさせているということだ。俺のこの流刑の(俺としては自分で自分を流刑にしたのだが)――波子はその道連れにさせられ、そうして俺の子供まで宿して……。
「すまねえなあ」
「なーに」
「ごめんよ、波子」
「なに言ってんのよ」
波子は何も俺の思想に共鳴したとかなんとかいうんじゃない。共鳴して俺と一緒になったというんじゃない。そんなようないわば生意気な女じゃない波子だから俺は好きなんだが、しかしそれだけに、そうした波子に苦労をかけるのはふびんだった。
ふと俺はこのとき、どういうわけか、ロシアの女性テロリストのことを思い浮べた。