Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme

Aozora Bunko

と俺は北槻中尉に低い声で言った。

「君が……?」

まるでガンツケ(眼で因縁をつける)みたいな、中尉のその眼には、軍人独尊の光があった。

「あたしがやる」

俺は静かに言った。

「あんた方はまだまだ大事な仕事をして貰わねばならん身体だ」

「若いくせに老成ぶったことを言う」

北槻中尉は笑った。

「いやいや、俺は死にぞこないの人間だ。いつ死んでもいい人間なのだ」

俺はここで尾垣大将を暗殺することによって、テロリストとして信念を貫くことができるのだと思った。

「恩赦があるから、まあ、十年とツモって、十年つとめて出てくれば、いい顔だ」

右翼の若い者たちの間で、そのころ、そういう言葉が半ば公然と言われていた。俺の前でも平気で言っていた。殺す相手が大物であればあるほど、ハクがついて、ムショ(刑務所)から出たあと、いい顔で通れるという。そして事実そうなのだ。

口では天下国家を論じながら、しょせんは私利私欲のため、売名のため人を殺す、そういうのを俺は唾棄すべき根性と考えていた。だが北槻中尉たちからは、この俺も――尾垣大将の暗殺をみずから買って出た俺は、顔を売るためと見られたかもしれないのだ。