Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
窓の外れの、ちょいと離れた下に、屋根が見える。しめたと、それに飛び移ろうとしたとき、股倉にかくしていたピストルがガチャリと板にぶつかって、ひやりとした。ピストルを俺は、さらしの腹巻にさきをくくりつけ、キンタマのわきにつるしていた。不審尋問にひっかかって身体をしらべられても、キンタマには手をやらない。
「這い」(屋根から忍びこむ泥棒)みたいにオカルヅタイ(屋根伝い)に逃げて、屋根から地面におろしてあるブリキのとよを、うまいこと見つけると、それを手がかりにして下に降りた。俺はキスグレ(酔いどれ)の真似をしながら、はだしで玄関へ回って、
「おい、スケマ(はきもの)出してくんな。ひとりで、さきに帰るんだ」
下足番はそんな俺をあやしんで、下足札と俺の顔をかわるがわる見ている。
「早くしねえかい」
俺はどやしつけて、
「ちぇっ、おもしろくもねえ」
車をひろって、俺は運転手に、
「トロゲンだ」
「へ?」
「吉原だよ。早くやってくれ」
トロゲンなどという隠語が俺の口から自然に出るくらい、俺の吉原通いもイタについた。淫売買いから格があがって、女郎買いになったのだ。
いや、トロゲンの女はおいらんで、女郎ではない。