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Japanische Klassiker mit Furigana

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いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme

Aozora Bunko

俺はそういうふうに考えようとしていたのだ。

だが、そのヤチは現実的に与えられてはいなかった。ヤチはなくて、あるのは俺の手だけだ。

俺はヨシコを自分の手で可愛がっていた。トロがたちまちふき出しそうになったとき、がらりと唐紙があいて、

「おや、部屋を間違えた」

じょうだんじゃねえやと俺は口の中で叫んだ。驚いて俺はヨシコから手を離していた。

重箱のような四角い顔をした男は、失礼と言って、唐紙をしめかけて、

「あの――矢萩さんをご存知なんでしょう?」

照れかくしのように言った。俺の初めて聞く名だった。知らないと俺は言った。

隠さなくてもいいだろうといった声で、相手は、

「人を殺すときは、どんな気がするもんかなあ」

「殺す前?」

「やっぱり、そうだ」

「なにが、そうなんだ」

「さすがに奥床しい。やっぱり、やってるね」

重箱面をした男はドスで人を刺す手つきをした。

「俺はまだ残念ながら人をばらしたことはない」

正直に俺が言うと、

「だったら、自分たちの仲間に、はいれなかったはずだ」

「みんな、人をばらしたことのある連中ばかりか。それなら、コロシの気持を聞くことはないでしょう」

「一向に自慢しないその精神は見上げたものだ。