Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
あの大学生崩れのボル派のオルグなのだ。それがこの豚箱にはいってきたのである。セツルで会ったきり、ずっと会ってないそいつは、頬がげっそりと、こそげたように痩せて、十ぐらい年をとったみたいに人相が変っていたが、俺にはひと目で、そいつと分った。今はもう下っ端のオルグじゃなくて、組合か何かの幹部だろう。
「じゃ、この重野を頼みます」
と刑事は看守に渡して、出て行った。俺はそいつが重野という名なのをここで知った。
看守は重野を片隅のテーブルに連れて行って、ネクタイやベルトをはずさせた。長いものは一切取りあげられる。
「どこから回ってきた?」
「富坂……」
という返事に、俺はああタライ回しだなと分った。目いっぱい(二十九日)の拘留があけると、よそのサツに回して、ふたたび目いっぱい食わせ、またよそへ回して、拘留のムシかえしをやる。二十九日以上は拘留ができない規則から、このタライ回しが考案されたのだが、そのうち、サツの玄関の外に形式的に出して、すぐそのまま同じ豚箱に放り込むようになった。これも間もなくやらなくなって、書類の上で何かごまかして、放りこんでおいたままムシかえしをやるようになった。