Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
「その通りだ。わしも来年は六十だ。妻を失って、子もない。一身を日本のために捧げよう」
兄貴の家にそのまま権八(居候)というわけにはいかないので、近くのアパートの小さな部屋を借りることにして、俺は玉塚英信のところへ金策に、いや、リャクに行った。
玉塚の家は大森の高台にあった。昭和初期に流行したモダン住宅という奴で、安手のオキス(洋風家屋)だったが、俺には、玉塚の野郎、しゃれた家にいやがると感じられた。彼が売れっ子の小説家になってからここに移ったのだ。ベルを鳴らすと、アイチ(女中)が扉をうすめにあけて、
「どなたさまで?」
俺は身体ごと扉にぶっつけて、その身体をなかに押し入れ、
「加柴の四郎さんが来たと言ってくれ」
俺の強引さに女中はうろたえて、
「まだ、おやすみなんですが」
しめた、留守でなくてよかったと俺は喜んで、
「起きるまで待ってるから、あげさせて貰うぜ」
言いながら靴をぬいで、さっさとひとりであがった。
狭い応接間に大きなソファが置いてある。暑い、暑いと俺は勝手に扇風機をかけて、ソファにごろんと横になった。ならざるをえないほど俺は身体がひどく大儀だったが、暑気当りかなと思っていた。