Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

いやなかんじ

いやな感じ

高見 順

Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme

Aozora Bunko

歩いている俺と、それを見ている俺と、二人の俺がいるように、俺が眠っているときの世界と、俺が起きているときの世界とは、ちがった二つの世界なのだ。

こうした詩を、詩のようなものを、俺は病床で書いた。寝ながら鉛筆で、大きな字でワラ半紙に書いていた。

ある日、それが枕もとに散らかっているところへ、玉塚が見舞いに来た。こんなものを書いていると玉塚に、そのワラ半紙の詩稿を見せると、

「ほう。これは面白い。貰ってっていいかね」

雑誌に売ろうと玉塚は言うのだ。売りものになるわけはないと俺は言ったが、玉塚は売れると主張して、

「名前は――加柴四郎でいいかね」

「いや、そいつはまずいな」

加柴四郎という名はあくまでテロリストにしておきたい。

「野中――薫とでもしておくか」

と俺は言った。その野中薫の詩が、玉塚の紹介で、ある雑誌に掲載された。俺は自分の書いたものが売れるとは思わなかったが、売れたのである。

雑誌を見ると、あの「貝が舌を出すように」という詩はのっていなかった。

「あれは、ちょっと……」

と玉塚が言った。あれは売りものにならないという意味か。しかし俺にはあれが一番好きな詩なのだった。