Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
と言うよりも、北槻大尉らの死が俺の肉体にひそむ死を追い出したかのようだった。とでも言うか、または――俺の肉体のなかの死を彼らがその死とともに持ち去って行ってくれたかのようでもあった。
「身体はよくなった。しかし、キザなことを言うようだが、今度は心が病気だ」
「神経衰弱か」
と砂馬はあっさり言った。ひとを馬鹿にしたような言い種が俺は癪にさわったが、
「北槻大尉が可哀そうでしょうがないんだ」
気の毒だったなあと砂馬もそう言って、
「だが――二・二六の犠牲者を犬死させるな、これがこのごろ、軍のスローガンだ」
「冗談じゃない。青年将校を殺したのは、その軍部じゃないか」
「相変らず、鼻息が荒いな」
砂馬は舶来の葉巻の箱をあけて、無造作に一本つまんで、俺にもどうだとすすめて、
「軍もひどく鼻息が荒い。統制派も皇道派もなく、今じゃ一本になって、すごい鼻息だ」
「統制派が天下を取ったんだろう」
「そんな派閥の問題じゃない。軍部がそのうち天下を取る」
「砂馬さんには好都合だな」
俺の鼻息が荒いのは、砂馬の親分ぶりに負けちゃならんといった虚勢もあったようだ。
「四郎さんよ」
砂馬は葉巻の煙をおもむろに口から吐き出して、