Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
慷堂が俺から失われたとき、どうして悲堂のことを思い出さなかったのか。あのとき、どうして悲堂に会いに行かなかったのだろう。
一時は慷堂の先輩格として支那革命に挺身した悲堂も、のちには一介の支那メシ屋と化した。それを風化現象のように考えていたことが、悲堂を思い出させなかったにちがいない。だが、平凡な支那メシ屋になったということでむしろ悲堂を――平凡な生活者になった悲堂を、それゆえにこそ思い出すべきだったのだ。その死を惜しむ気持が俺にそうした気持をもたらした。
悲堂が死ぬ前に、一度会っておきたかったというより、俺自身のために会っておけばよかった。そうだ、そうしていたら、俺は上海などへ来ないで、俺の運命も妙な方向にそれないですんだかもしれぬ。
その三 悪時代
虹口サイドの海寧路の旅館の一室が取ってあった。丸万が案内してくれたが、もちろんこれは砂馬の計らいによるものだろう。砂馬は虹口側でなく、河向うのフランス租界に家を持っていた。どこかはまだ俺に言わなかった。
一時この旅館にいて、そのうち上海に慣れたら、アパートなり下宿なり、快適な住まいを自分で探すといいと丸万は言った。