Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
割った種子から中身をするりと舌で吸い取るようにする。俺にはそうはいかない。脆い白瓜子は、噛むと真中から折れて、皮ごとくだけてしまう。堅い西瓜の種子のほうをつまんで、
「君のお父うさんに東京で会ったことがある。俺がさも君を――照ちゃんと言わせて貰おう、照ちゃんを誘拐したみたいに、お父うさんから誤解された」
「すみません。あの父はあたしの母を捨てて、あたしたち母子を放ったらかしにしておいて……」
「ひとにそんな口のきけるお父うさんじゃない? でもやっぱり、照ちゃんのことが心配になったんだろう」
「そうかしら」
照子はその父を、と言うより俺を突きのけるように言った。つまり俺はふたたび不機嫌に突き戻された。
「ずっと根室に俺は行ってたんだが、北海道に照ちゃんが来てると一度聞いたことがある。いや、わざわざ俺にそれを言いに来た人がいる」
「誰かしら」
「矢萩さんだ」
照子はネーヴィ・カットの罐から煙草を出し、チャッカリ(ライター)をぱちりと鳴らして火をつけた。そんな照子を俺は見すえていた。魚で言えば、ちょうど脂の乗りきった、今が食べごろ……と照子を見たのも、俺の不機嫌のせいか。