Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
内地からわざわざ犯人逮捕にやってきたのだ。手にした竹刀をふりかざして、
「おい、重野。泥を吐かねえと、もっと痛い目に会わせるぞ」
と男は言った。
重野……? ヤキをいれられているのは重野なのだった。拷問で顔つきが変っていたので初めは分らなかったが、正しくそれは重野だった。
「どういう奴とこの上海で連絡を取ったか、素直に言ったらどうだ」
「そう手を焼かせるな」
「強情な奴だ」
口々に刑事は言った。
「さすがに共産党員だ。よし、言わなきゃ、言わせるようにしてやる」
内地から来た刑事はせせら笑って、
「お前の仲間を一人、ここへ今連れてくるから、そいつへの見せしめにも、ひとつ……」
まわりの連中に、
「ではやりましょうか」
手を貸して貰いましょうと、ていねいな口をきいた。
天井のハリから、ながい縄が――一本の縄が二条になって垂れさがっている。その縄のはじで、重野の足くびをくるくるとふんじばった。うしろ手に縛られた重野は、されるままになっている。見ていて俺は歯がゆかったが、それまでの拷問ですでに弱り果てた重野に抵抗の力は失われていたようだ。
ハリからさがった縄の片方を、刑事たちがツナ曳きのように引っ張ると、重野の身体は足を上にして、まるで屠殺場の豚か何かみたいにつりさげられた。