Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
手際がいいというか、あっという間の早業で、重野は逆さにつるされている。
「どうだ、この野郎」
みずからの残虐に昂奮した声で、例のモダン・ボーイふうの刑事が、
「ひとを、なめやがって……エイ」
竹刀に力をこめて、重野の背をぶったたいた。
キナ臭いにおいがした。それがすぐ屍臭に変った。屍臭が俺の鼻に蘇ったのか。それとも重野の身体がほんとにそんな臭いを放ったのか。
「分ったか……この野郎」
ビシリと竹刀が鳴った。
「う……」
重野の口から断末魔のようなうめきが洩れて、
「コロセ……殺せ」
低いが、はっきりとその声は俺の胸を貫いた。
血がさがって、屠殺場の肉片みたいに真赤になった重野の顔は、俺の血をも逆流させた。俺は道場へ飛びこんで行って、重野を助けてやりたくなった。
「おい! なにしてる」
巡査の声がなかったら、ほんとに俺はめくら滅法に飛び出して行ったろう。
「お前も、あいつの一味か」
ガチャ(巡査)と俺が見たのはカマリ(留置場)の看守だった。エンコジョウ(手錠)をはめられた男が二人の看守にはさまれて、そこへやってきたのだ。
なんと、その男は丸万ではないか。ベルトを取られたズボンを、手錠のため自由のきかない手でおさえながら歩いてくる。