Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
胸をわくわくさせながら俺は、丸万から聞いた法租界の砂馬の家へと急いだ。俺の胸がわくわく弾んでいたのは、あれはなぜか。
百成は砂馬のことを俺に、生かしちゃおけねえ悪質な人間だと言った。抹殺すべきだと言った。その百成の言葉が俺に、砂馬の殺害を決意させ、その決意が俺の胸を弾ませたのか。
俺の胸がわくわくしていたのは、たしかにその決意のせいにちがいない。だが俺の決意は百成の言葉のせいではなかった。
すると、矢萩の言葉のせいか。愚園路のナイト・クラブへ俺がなにしに行ったか、それはすでに砂馬の耳にはいっていると矢萩は言った。砂馬を殺しに行った俺だとなった以上、早いとこ、それを実行しないことには、俺が砂馬に殺される。俺の殺意はそのためか。いいや、そんないわば自己防衛が俺の胸をこんなにわくわくさせるわけはない。
俺は胸をおどらせ、喜び勇んでいるのだ。そうだ、上海へそもそもこの俺が「おいでなすった」のは(自分で俺はそう呟いていた)ほかでもない、あの矢萩を殺し、そうしてまた、砂馬も殺すためだったのではないか。それに今まで自分でも気づかなかった――いや、自分自身にさえ、それを隠していたのだ。