Japanische Klassiker mit Furigana
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いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
穴のなかからその男を引っ張りあげねばならぬ仕儀となって、
「この野郎、世話を焼かせやがる」
「このまま土をかぶせちまうか」
生き埋めという手もあると言い出したのは、首なし死体のある穴へ降りて行くのはさすがに気味が悪く、兵隊も尻ごみをしたからだ。
「よし、俺が手伝おう」
と俺は買って出た。よけいな手出しをせんでいいと、遮る手を振り払って、俺は穴のなかに飛びこんだ。
どしんと尻もちをついたその俺の尻のすぐ横に、生首がころがっていた。
あやうくその生首の上に俺は尻もちをつくところだった。眼かくしが外れたその首は、かっと眼玉を開いて、俺を睨んでいた。
俺はこのとき、首なし死体の、首をチョン切られたノドというものを、生れて初めて間近に見た。それはイソギンチャクがきゅっと収縮したみたいで、俺は、気味悪さを通りこして、真赤なイソギンチャクのような不思議な物体を見るおもいだった。
穴に自分からころがり落ちた男は、冬眠のカエルみたいに、土にへばりついていた。土のなかに頭からもぐりこもうとするみたいなものを、
「おい、公、起きろ」
と無理やり、うしろから抱きおこした。いやだ、いやだともがくのを、俺は満身に力をこめて、よいしょと立たせた。