Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
いやなかんじ
いやな感じ
高見 順
Lesen Sie いやな感じ (いやなかんじ) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 292.113 Zeichen · 587 Bildschirme
クララは俺を愛していたのかもしれぬ。
それにしても、俺のヨシコにとっついたリン菌は、クララの男のヨシコに巣食っていたリン菌なのだと思うと、俺はやり切れない。俺は無性に酒が飲みたくなった。
飲んじゃいけないとなると、よけい、飲みたい。飲むと、せっかくの治療がふいになるからと厳禁されていたが、俺は酒が飲みたくて飲みたくて困った。俺はそれを我慢した。小便を我慢したように、我慢した。我慢力を試そうと我慢した。
俺は上野に出て、不忍池のまわりをほっつき歩いた。上野の森に、満月がぽっかりと浮いていた。
出た出た月が――俺はそんな童謡を口ずさんだ。まーるい、まーるい、まんまるい、盆のような月が……。
俺はクララが恋しいのだ。クララというより、照子が――瀬良照子が。これがクララの本名である。
俺は同じ歌を、幾度かくりかえしたが、そのうち、
デタ デタ
ウミガ
間違えた。俺はデタ、デタ、ツキガと言い直したが、えい、くそと舌打ちをして、
キイロイ
キイロイ
マッキロイ
ウミノヨウナ
ツキガ
クララこと瀬良照子に俺はどうしてももう一度会いたいと思った。そのおもいに駈られて、俺は砂馬に会った。