Japanische Klassiker mit Furigana
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おさん
おさん
Lesen Sie おさん von Dazai Osamu (太宰 治) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.343 Zeichen · 21 Bildschirme
「暑かったでしょう? はだかになったら? けさ、お盆の特配で、ビイルが二本配給になったの。ひやして置きましたけど、お飲みになりますか?」
夫はおどおどして気弱く笑い、
「そいつは、凄いね。」
と声さえかすれて、
「お母さんと一本ずつ飲みましょうか。」
見え透いた、下手なお世辞みたいな事まで言うのでした。
「お相手をしますわ。」
私の死んだ父が大酒家で、そのせいか私は、夫よりもお酒が強いくらいなのです。結婚したばかりの頃、夫と二人で新宿を歩いて、おでんやなどにはいり、お酒を飲んでも、夫はすぐ真赤になってだめになりますが、私は一向になんとも無く、ただすこし、どういうわけか耳鳴りみたいなものを感ずるだけでした。
三畳間で、子供たちは、ごはん、夫は、はだかで、そうして濡れ手拭いを肩にかぶせて、ビイル、私はコップ一ぱいだけ附合わせていただいて、あとはもったいないので遠慮して、次女のトシ子を抱いておっぱいをやり、うわべは平和な一家団欒の図でしたが、やはり気まずく、夫は私の視線を避けてばかりいますし、また私も、夫の痛いところにさわらないよう話題を細心に選択しなければならず、どうしても話がはずみません。