Japanische Klassiker mit Furigana
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おしどり
おしどり
Lesen Sie おしどり von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.557 Zeichen · 12 Bildschirme
彼は眼を開いて自分の体をみるともはや一羽のおしどりとなっていた。おどろきとおそれにうたれて気を失っていた恋人は、やがておのれに帰ると、老人が自分のみをおき去りにして水中に消えていくことをおそれて、まろぶように老人のところにかけより、膝にすがった。「お願いです。わたしだけをのこしておいてくださいますな。わたしも水鳥にしてください。おしどりがいけませぬならば鴨でも鳰でもかまいません。」「よろしい」と老人は答えた。「あの若者がとびこんだところから、あなたもとびこみなさい。」娘は躊躇しなかった。彼女は小さな心臓を、両掌ににぎられた小鳥のように、ときめかせながら岩のところに下りていった。岩の上には、若者の衣とくつとそして木犀の花のかざされた冠があった。娘は若者のくつのかたわらに、おのれの小さいぬいとりのあるくつをならべてぬぐと、青いもすそをあとにひいて水面にとんだ。そしてまもなくおすのおしどりのかたわらに、やや小さいめすのおしどりが、くちばしでおのれの羽毛をととのえながらよりそっていた。二羽のこの美しい水鳥はお互いに心いっぱいに愛の喜びを感じているとみえて、小さい二つの尾羽はきそうようにふられていた。