Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

おれのにょうぼう

おれの女房

山本 周五郎

Lesen Sie おれの女房 (おれのにょうぼう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.296 Zeichen · 46 Bildschirme

Aozora Bunko

「おぶちよ、もっとおぶちよ、好きなだけぶったらいいじゃないか、あたしなんか、どうせあたしなんか」

「きさまは狩野にいた、おれといっしょになってからも、もう十年になる」

又五郎は歯をくいしばり、声をころして云った。

「絵師というものがどういうものかくらい、およそわかっていない筈はないだろう、ことにおれはひととは違った仕事をしようとしている。これまでの絵師のやらない、本当の絵らしい絵、新しい絵の道を拓こうとしているんだ、そのためおまえには貧乏させる、済まない、悪いと思っているが、おれだって暢気じゃないんだ、おれだって苦しいんだ」

お石は醜く歪んだ顔を右へ左へ振り、そんなごたくは聞きたくないと叫び、なおも身もだえをし、泣きじゃくった。

「どうくふうしても思ったような絵が出来ない、描いても描いても俗になってしまう、寝ても起きてもそのことで頭はいっぱいだ、夜なかに眼がさめて、どうにもならない気持で、独りで呻いたりもがいたりしているんだ、――あんな出来そこないの絵を売るくらいなら、おまえにも貧乏はさせやしない。おれだってこんなに苦労はしやあしないんだ」

「もうわかったよ、お念仏はたくさんだよ、痛いから放しとくれよ」