Japanische Klassiker mit Furigana
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おれのにょうぼう
おれの女房
山本 周五郎
Lesen Sie おれの女房 (おれのにょうぼう) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.296 Zeichen · 46 Bildschirme
五
かげでこそこそ売ってたんじゃないか、隠れて売っちゃあ飲んでいたんじゃないか」
「――阿波屋から幾ら貰ったんだ」
「大きなお世話だよ、知らないよ、阿波屋の旦那は仰しゃったんだから、絵をごらんになるとすぐ仰しゃったんだからね、なんだ描きかけだなんて、もうすっかり仕上ってるじゃないか、もうどこに一点も筆を入れるところはないじゃないかって、そう云って」
「うるせえ、金は幾ら貰ったんだ」
又五郎は立って、凄いような顔をして、ぐいと烈しくお石の肩を掴んだ、お石はそれをふり払い、眼をぎらぎらさせて叫んだ。
「そんなことおまえさんの知ったこっちゃないよ、男はね、金のことなんかに口だしをするもんじゃないんだろ、少しばかりの金に眼の色を変えて、みっともないってんだよ」
「うるさい、黙れ」
お石の頬でびしっと高い音がした。
五
「ぶったね、おまえさんあたしをぶったね」
お石はこう叫んでむしゃぶりついた。又五郎はなお二つ三つ、平手打ちをくれ、足搦みをかけてひき倒すと、お石の上へ馬乗りになり、ぐっと押えつけて動かさなかった。お石は足をふんばり、噛みつこうとし、どうにもならぬとみてひいと泣き出した。