Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おとうさん

お父さん

林 芙美子

Lesen Sie お父さん (おとうさん) von 林 芙美子 (はやしふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.548 Zeichen · 76 Bildschirme

Aozora Bunko

と、おとうさんがいいました。金井君は、この子の着ているシャツよりはましなのがあるから、お家でもらって来るといって走ってかえりました。

やがてむしパンが出来ました。大きいむしパンを手にして、その子は顔をあかくしていました。

「遠慮しないでお上り」

みんながすすめて、やっと、その子はむしパンを食べはじめました。桶屋さんはいい人たちだけれど、この子は桶をつくることはきらいなのだそうです。どんなに好きになりたいと思っても、あの桶の音をきいているのはがまんが出来ないのだそうです。おばあさんとそうだんをして、東京で給仕でもして、夜学に行って勉強したいのだそうです。

金井君がシャツを持って来ました。

おとうさんはちょうど八王子にたずねなければならない人があるからといって、その子といっしょに出かけて行かれました。

おかあさんはむしパンののこりを紙につつんでその子に持たせました。とてもよろこんで、その子は何度もおじぎをして行きました。僕は金井君と話しました。

「おとうさんやおかあさんがなくなって、あの子、かわいそうだね」

「うん、だけど、あの子はきっといい人になるね」