Japanische Klassiker mit Furigana
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かたいおおきなて
かたい大きな手
小川 未明
Lesen Sie かたい大きな手 (かたいおおきなて) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.886 Zeichen · 8 Bildschirme
遠く、いなかから、出ていらした、おじいさんがめずらしいので、勇吉は、そのそばをはなれませんでした。おじいさんの着物には、北の国の生活が、しみこんでいるように感じられました。それは畑の枯れ草をぬくもらし、また町へつづく、さびしい道を照らした、太陽のにおいであると思うと、かぎりなくなつかしかったのです。
「こちらは、いつも、こんなにいいお天気なのか。」と、おじいさんは、聞かれました。
「はい、このごろは、毎日こんなです。」と、おかあさんが、答えました。
「あたたかなところで、くらす人は、うらやましい。」
おじいさんは、庭のかなたへ、はてしなくひろがる空を見ました。風のない、おだやかな日で、空がむらさきばんでいました。
「おかあさん、さっき、金魚売りがきた。」
「そうかい、戦争中は、金魚売りもこなかったね。」
「故郷は、まだこんなわけにはいかない。」と、おじいさんは、なにか考えていられました。
「もうすこし、近ければ、ときどきいらっしゃれるんですが。」
「こちらへくると、もう、帰りたくなくなる。」と、おじいさんは笑われました。
勇吉は、おじいさんの顔を見て、
「おじいさん、いなかと、こっちとどちらがいいの。