Japanische Klassiker mit Furigana
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からす
からす
小川 未明
Lesen Sie からす von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.145 Zeichen · 5 Bildschirme
なにか合図をすると、たちまち整った陣形は、しばし乱れて、傷ついたからすを強そうなものの間へ入れて、左右から、勇気づけるようにして、連れていくのでした。
「からすのほうが、よっぽど、偉いや。」
純吉は、空を仰ぎながら、つぶやくと、目の中に熱い涙のわくのを覚えました。
ある日のことです。田圃へ出て、父親の手助けをしていると、ふいに、父親が、
「純や、あれを見い。鳥でさえ、弱いものは、ばかにされるでな。」と、いったのです。
純吉が、父親の指す方を見ると、驚いたのでした。翼の端の取れた哀れなからすを、仲間が意地悪く、列の中から追い出そうとして、右からも、左からも、つついているのでした。
「ああ、わかった。一昨日は、あんなにしんせつにしてやったけれど、いつまでも弱いと、じゃまになるのだな。」
純吉は、自分が弱くないことを、どうしても見せなければならぬ気がしました。だが、自分の強いことを示すために、仲間とけんかをしなければならぬだろうか?
彼は、やはり迷ったのでした。そのうちに、小学校を出ました。もう、だれも、彼のことを、「ドンチャン。」と、いうものもなかったのです。