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Japanische Klassiker mit Furigana

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くせ

くせ

吉川 英治

Lesen Sie くせ von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.262 Zeichen · 5 Bildschirme

Aozora Bunko

家康は重大な話のうちに、ひょいと、話を聞いていない顔をする癖があると、何かの書に見た。信長は、癇癖で有名である。秀吉は、太閤殿下ともなられながら、昔の小才がぬけないで人に耳こすりをする癖があると時人に眉をひそめられた。

又、徂徠は講義のうちに、扇のかなめで耳を掻く。聖堂の学徒松崎万太郎は、放屁癖という人に迷惑なものを持っていた。あの謹厳な渡辺崋山に、飲むと落涙する癖があり、尾崎紅葉はその反対に、飲むと江戸弁で啖呵を切る。近くは若槻前民政総裁は、議会で困ると爪を噛む。

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私の友人でユウモア作家の川上三太郎は、右の耳の疣を、弄ぶ癖がある。初めは、耳朶の端にできた小さな疣だったが、常住坐臥、原稿を書き、恋を語るまも、それをいじるのが、癖となって――イヤ趣味なり快味と迄なって、疣の年経ること十数年、今では、乾葡萄のような色と大きさに育ってしまい、頗るグロテスクな耳環をぶら下げている。

それにも増して、汚ないのは、越後の僧良寛である。人と対坐しながら鼻くそを丸める。わけて気に食わない来客が、五合庵を訪れなどすると、よけいに、それを丸めて、頻々と指先から飛ばすので、たいがいな面の皮の人でも、恐れをなして逃げ帰ったという。