Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
同時に御失明の虞有之候間片時も早う眼科へ転学可然』とありました。それから新規蒔き直しに眼科の専攻を卒えて二年後に帰朝の途につきましたが、私はよく/\不忠に生れついていると見えまして、船が神戸に着かない中に殿様には病毒が脳に上って、御発狂次いで薨去と事が捗りました。これが昔の戦場なら兎に角君公御最期の間に合わなかったのですから差詰め切腹です。しかし開明の今日の有難さ、少時謹慎ということで父も納得して呉れ、当地へ来て試みに眼科を開業しました。ところが今の空っ風で病院が無暗に流行るでしょう。到頭此方で女房を貰う。子供が続々出来る。最早悉皆土着してしまいましたよ。旧藩主の鼻さえ落滅しなかったら私は花の都で鼻専門に開業しているのだがと時折思いますが、何も彼も廻り合せで仕方ありません。あの低能児の鼻が、それも人並よりは余程低い鼻が私の一生にこういう大影響を及ぼしたかと考えると、転た感慨に堪えないものがありますよ」
と村田さんは身の上話を終った。
「面白いですな。すると此処にこうして坐っていらっしゃるのも全然旧藩公のお鼻の然らしむるところですね」
とお父さんが嬉しがった。