Japanische Klassiker mit Furigana
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ぐうたらどうちゅうき
ぐうたら道中記
佐々木 邦
Lesen Sie ぐうたら道中記 (ぐうたらどうちゅうき) von 佐々木 邦 (ささきくに) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 164.113 Zeichen · 332 Bildschirme
しかし清瀬さんは頓着なく、
「そこで遷都と共に労働のなくなった里人達はその頃のことですから失業問題を起すでもなく、この見物客を目的に興福寺や東大寺の周囲に巣を食いましたが、これが追々発達して今日の奈良市になったのでございます。斯ういう風に先祖代々観光客のお賽銭の零れを目的にして生計を立てゝいますから、奈良の人はそれは/\消極的ですわ。多少企業心のあるのは遷都の折、皆京へついて行ってしまったのですもの。今でも何かしようと思う積極的の人は晩蒔ながら京阪へ出て行きますから、自然春日様の棟木で奈良人形を刻んだりする躄のようなものばかり居残るのだと申します。よくて? これは皆先生の請売よ」
と手品の種明しにまで及んだ。
「ひどいことを教える先生ね。土地の方ではないのでしょう?」
とお母さんが驚いた。
「宮崎県とか仰有っていましたよ」
「宮崎あたりから来ると、こゝは物価が高いからね。日向の炭焼先生土地に反感を持っているのだろう」
とお父さんが同情した。すべて官吏教員の如き水草を追って生活する階級には物価の高低によってその土地の人気に善悪の判定を与える復讐的の傾向がある。