Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

さまざまなおいたち

さまざまな生い立ち

小川 未明

Lesen Sie さまざまな生い立ち (さまざまなおいたち) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 2.959 Zeichen · 6 Bildschirme

Aozora Bunko

なんという白く、清らかな花であろう。そしてなつかしい香を、たたえているであろう。

小鳥が、どこかで鳴いていました。ようやく浅緑の芽をふいた木立は、喜ばしげに踊っていました。空を仰ぐと雲が流れています。春には、ちがいなかったけれど、なんというさびしい春であろうと思った。

「お父さん、早く、東京のお家へ帰りましょう……。」と、弟はいいました。

「なぜ?」

「さびしいんですもの……。」

このとき、お父さんは、自分の子供の時分のことをいろいろと話されたのでした。このさびしい春も、北国の人々には、どんなにか一年のうちで楽しいときであるかしれない。そして、長い、暗い、冬からぬけ出て、花の咲いた野原や、青々とした丘を見ることは、どんなにうれしいことであるかしれないといわれたのでした。

子供たちは、お父さんが、小さな時分、この野原で駆けまわって、遊んだ姿などをいろいろに想像しました。そして、いい記念にと、すずらんの花を持って帰ったのでした。

兄と弟は、毎日、庭へ出て、すずらんの咲くのを楽しみに待ったのです。ほかの草は、ぐんぐんと芽を伸ばして大きくなりました。また、ほかの木立は、いつのまにか、美しい花を開きました。