Japanische Klassiker mit Furigana
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すりかえかいが
すり替え怪画
海野 十三
Lesen Sie すり替え怪画 (すりかえかいが) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.746 Zeichen · 26 Bildschirme
「そうお急ぎになっても、同じことですわよ」
「いや、早く幕を取除いて、その下にある本体を見せてもらわないことには、安心ならない。藤代女史、急いで……」
藤代女史といわれた大年増は、烏啼をいくぶん焦らせて悦んでいる気配であった。それでも遂に彼女は仕事にかかった。白いバットの中に、青味がかった薬液が注ぎ入れられた。その中へ白いガーゼを浸して、たっぷりと液を吸わせた。女はそれを取上げると、画面へぶっつけて、二三度こすった。
すると横向きになっている右端のニンフの顔が、七三向きに直った。ガーゼには、絵具が附着していた。
女は、ガーゼを白いバットの中で洗って、同じようなことを、画面の他の部分に施した。真中のニンフの手の位置が変化し、それから正面向きの左端のニンフが右向きに変った。
「美事美事。藤代さん、大したものだ。とうとう名画の御出現だ。さあそれはあそこの壁にかけよう」
烏啼は上々の機嫌になって、再現した名画を壁間に掲げ、惚れ惚れと眺めた。
彼が藤代女史にやらせている油絵変貌術は、かつてルーブル美術館からダビンチ筆の「モナリザ」を盗み出し、多数の模写を作って大儲けした賊ジョージ・デーンの手法と技術とを踏襲しているのだった。