Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいこん

だいこん

久生 十蘭

Lesen Sie だいこん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 153.732 Zeichen · 303 Bildschirme

Aozora Bunko

たが、その日ちょうどシャリアピンの独唱会があったので、日本人はみなそっちへ行ってしまい、一人も聴衆がなかった。

ママ薯はひどく腹をたて、その晩のうちにベルリン直行で帰ってしまったが、巴里にいる日本人はみな非国民だとひどいことをいって歩いていたそうだ。こちらにはちっとも悪意はなかったので、満寿子さんなどは、

「どうすればあたしたちが兵隊になれるのか、ちょっときいてみたいもんだわね」

などとうれしがっていたくらいだが、パリにいる日本の女性は、女の兵隊よりシャリアピンのほうに絶大な魅力を感じていたので、そちらまで手がまわらなかっただけのことだった。

そのうちに乗客係が、

「ア・ラ・ヴィオン(客室へ)」

と触れてきた。ママ薯は娘薯と秘書のようなひとをつれて客室へ乗りこんでくると、把手を廻して窓をあけたので、小雨まじりの風がドッとばかりに吹きこんできた。

帽子を飛ばし、スカートをふきあげるというえらいさわぎになったが、ママ薯は知らぬ顔の半兵衛で見送りの一行と会話をつづけている。給仕がやってきて、みなが迷惑しているから窓をしめさせてくれというと、ママ薯は噛みつくような調子で、ユウ・シャラップと怒鳴りつけておいて、秘書みたいなひとに窓のほうを顎でしゃくってみせた。