Japanische Klassiker mit Furigana
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だだらだんべえ
だだら団兵衛
山本 周五郎
Lesen Sie だだら団兵衛 (だだらだんべえ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.271 Zeichen · 25 Bildschirme
「やっ!」
と喚いて突掛った、刹那!
「おっ!」
おめいた団兵衛、身を交わしざま、槍のけらくびを掴んで引くのと、片膝立てに刀の鯉口を切るのと同時だった。
「なにやつだ!」
と云って居合腰になるのを見て、大蛇嶽闇右衛門槍を放って二間あまりとび退り、
「しばらく!」
と声をかけた。それを見た団兵衛、
「なんだ、先夜の山賊殿か、悪い洒落だな、はははは」
とこともなげに笑って立上った。
「約束により急いで戻って参った、まだ陽が高かったから、きさまを待つ間にひと眠りと思ったのだが、疲れは争えぬ、えらく眠ったものだ、どりゃ借物を返上しようか」
そう云うと手早く大小を脱ってそこへ置き、野袴を脱ぎ帯を解きはじめた。このようすをみて傍にいた手下どもが驚いた。
「いまの勝負はたしかにお頭の負けだ、それをどうしてあの侍は裸になるのだろう?」
「なぜってべら棒め、あの侍は盗難保険に入ってるんだ、ここで脱いでゆきゃあ三千両取れる」
「嘘をつけ」
わいわい騒いでいる。間もなく褌ひとつになった団兵衛は、大蛇嶽に振返って、
「ではここへ置くぞ、さらばだ!」
それだけ云うと、にっこり笑いながら大腕組をして、さっさと坂を下りて行った。