Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だだらだんべえ

だだら団兵衛

山本 周五郎

Lesen Sie だだら団兵衛 (だだらだんべえ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.271 Zeichen · 25 Bildschirme

Aozora Bunko

二

団兵衛のすることを露見のがさじと見ていた大蛇嶽闇右衛門、やがて眼の覚めたように、

「誤った!」

と叫んでそこへ腰をおとした。彼の眼からはらはらと涙が落ちた。

「やい、みんな集れ!」

と手下の者を呼集めた。

「おれはたった今から山賊をやめた、今日までの獲物は皆にくれてやるから、それぞれいいように分配してどこへでも行け、しかしこれからは必ず、お天道様の下で働いて生きるんだぞ、これだけがおれの頼みだ!」

「それでお頭は?」

「俺はいまのお侍の後を追かけて、飯炊にでも草履取にでも使っていただくつもりだ、じゃあみんな達者で暮らせよ!」

云うだけのことを云った大蛇嶽闇右衛門、そこに脱ぎすててある衣服大小を抱えあげると、いま立去った団兵衛のあとを追って、足にまかせて走り去った。

峠の上にのっと月が出た。

二

だだら団兵衛!

本当は多々羅団兵衛という。藤堂家に仕えて御馬回り百五十石をいただいている武士だ。なぜだだらなどと呼ばれるかというに、少し急いてくると吃る癖がある、ことに自分の姓名を云う段になると、どうしても舌が縺れて、

「たたたたららだだ団兵衛」

というふうになる、そこで口悪がだだらなどと綽名をつけてしまった。