Japanische Klassiker mit Furigana
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Lesen Sie ちくしょう谷 (ちくしょうだに) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.788 Zeichen · 138 Bildschirme
隼人は熱心に聞いていた。もどかしいような顔もしなかったし、こまかいところは納得のゆくまで問い糺した。
源の住居を出ると、「木戸でなさいますか」と老人が訊いた。そうするつもりだと隼人は答え、老人に礼を述べて木戸へ帰った。「月便」の者たちも戻ってい、岡村七郎兵衛が、仔細を話そうとしたが、隼人は「わかっている」と制止して、そのまま倉へいった。岡村はあとからついて来ながら、かけはしをどうするかと訊いた。もちろんすぐ架け直すんだ、と隼人は答えた。
「ごんぜは承知しましたか」
「いや」隼人は倉の戸の鍵をあけながら首を振った、「おれたちの手でやるんだ」
「それにしては季節が悪いですな」
隼人は倉の中へはいり、太綱を解いてしらべてみた。それは直径二寸ばかりの麻の綱で、長さは一と巻きが三丈五尺で、三巻きあった。
「百尺とちょっとか」隼人は呟いた、「まにあえばいいが」
彼は岡村に手伝わせて、三巻きの綱を外へ運び出した。一と巻きでも担ぐのに骨が折れるほど重い、隼人はそれを柵のところへ持ってゆくと、一と巻きずつ解いて、柵の杭にひっかけたが、ちょっと考えてから、誰でもいい、力のありそうな者を三人ばかり呼んで来てくれ、と岡村に云った。