Japanische Klassiker mit Furigana
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ちゃん
ちゃん
山本 周五郎
Lesen Sie ちゃん von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.377 Zeichen · 45 Bildschirme
三
「まあ待ってくれ」
「いいからこっちの話を聞けよ」と新助が遮って云った、「それはおめえが五桐火鉢を守る気持はりっぱだ、けれども世間ではもうそれだけの値打は認めてくれない、あの蒔絵のやりかた一つだって、漆の下地掛けから盛りあげるまで、まる九十日もかけるというのはばかげている、木地の木目の選び、枯らしぐあい、すべてがそうだ、すべてがあんまり古臭いし、いまの世には縁の遠い仕事だ」
「重さん」と新助は続けた、「おらあ、はっきり云うが、ここはひとつ考え直してくれ、時勢は変ったんだ、いまは流行が第一、めさきが変っていて安ければ客は買う、一年使ってこわれるか飽きるかすれば、また新しいのを買うだろう、火鉢は火鉢、それでいいんだ、そういう世の中になったんだよ」
三
新助は一と口飲んでまた云った。
「おめえが脇眼もふらず、丹精こめて作っても、そういう仕事のうまみを味わう世の中じゃあないし、またそんな眼のある客もいなくなった、このへんで時勢に合った仕事に乗り替えようじゃないか、その気になるなら、檜物町とおれがなんとでもするぜ」
重吉は弱よわしく唇で笑った、「火鉢は火鉢か、そりゃあそうだ」