Japanische Klassiker mit Furigana
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つばくろ
つばくろ
山本 周五郎
Lesen Sie つばくろ von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.987 Zeichen · 44 Bildschirme
「――わかった、それでよくわかった」
高雄はやがて口をきった。云いたいことが喉へつきあげてくる、思うさま声をあげて叫びたい、喚き、どなって、胸にあるものを残らず吐きだしたかった。しかし彼には出来なかった。けんめいに自分を抑え、できるだけ平静な声で、静かに続けた。
「――私にも云いたいことはある、だが、それは云わなくとも、おまえにはわかっているだろう、……だから、ここでは、いちばん大事なことだけを話そう」
彼は眉をしかめ、ちょっと吃って、だがやはり穏かに言葉を継いだ。
「――私が苦しんだように、おまえも、そして森も苦しんだろう、……私だけが苦しんだとは思わない、三人とも、お互いに苦しんで来た、おいち、……この苦しみを活かす法を考えよう、今いちばん大事なのは、それだと思う……この苦しみをむだにしてはいけない、これをどうきりぬけるか、お互いが傷つかぬように、できることならお互いが仕合せになるように、……それをよく考えてみよう、おまえそう思わないか、おいち」
「あなたの思うようになすって下さいまし」嗚咽しながら切れ切れにおいちが云った、「わたくしにはもうなにを考える力もございません、あなたがこうしろと仰しゃるとおりに致します、どうぞどのようにでも、思いのままになすって下さいまし」