Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Lesen Sie つぼみ von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.918 Zeichen · 44 Bildschirme
「マア一寸、あのあれが出たんですよ、一寸ほんとうに」
統一のつかない言葉をつづけざまに口から吐いた私は又ひっかえして黒土の前にしゃがんだ。
「よくマア、ほんとうによくマア出て御呉れだったネー、まってたんだもの、御前だって分るだろう、さかりの今日になってさえ別のを買わずに御前一人をまってたんだものネー、ほんとうにうれしい心から」
人間の言葉の通じるものに云うように私はこう小さいしおらしげな声で云った。
私はそのやさしい芽生えの返事をききたいといつまでもそこに坐ってたけど何とも云って呉れなかった。ただ、そのしなやかな細かい細胞をながれてうるおして居る色のない血液のそのくっくっと云って居る鼓動と私の赤い、あったかい同じような細胞全体をうるおしてる血液の鼓動とがピッタリと一つもののようにしずかにドキンドキンと波うって居るのを感じた。
初めてもった財布
生れて始めて財布と云うものをあずけられた新吉はやっとかぞえ年で六つになったばかりである。着物の上からも小さくふくれて居る黄色の大黒さまのついた袋をソーッとなでた。目の前には少し黒味のかかった十銭丸二つと其よりも一寸大きい二十銭一つがかわりばんこにおどりをおどって居る。