Japanische Klassiker mit Furigana
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つぼみ
つぼみ
宮本 百合子
Lesen Sie つぼみ von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.918 Zeichen · 44 Bildschirme
「それで……今あっちの田町の家に居るの……」
「ええ、随分はでな暮し方です、我ままでネー――」
あの人はまるで自分に関係のない家の事をはなす様な口調で云った。
あの人の様子は一寸も変って居なかった。それでどこにも、そんな事をする人らしいういたいやみなところはなかった。私はそれをうれしく思いながらいろんな事を話し合った。芝居――脚本そう云うはなしになると今までとはまるで違った真面目さと熱心で私の云うのをきいて居た。あしたの朝十時位までには帰らなくっちゃあならない事、また二十□日には大阪まで行くんだからいそがしい、なんかと、おちつかない、それでうれしそうなかおをして云って居た、「もう今私はそりゃあ真面目に勉強して居る」
あの人は、はっきりした口調でこんな事も云った。あの人の、口元、目の底、手の先、にほんとうにみちみちた力づよい、希望に光りかがやいて居るあの人を見つけた。爪の先、指、小耳、そんなところは前よりも娘らしい美くしさになって肩つきも丸くなって居た。今夜はどうせ明日は学校もないしするからって私達は卓子の上にいっぱい本を積んでお互に袴をはいて居る時の様な気持でかおをほてらして話し合った。