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Japanische Klassiker mit Furigana

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つぼみ

つぼみ

宮本 百合子

Lesen Sie つぼみ von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 21.918 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

十時頃、あの人は帰った方が好いと云うので私は、脚本を沢山と『女と赤い鳥』を貸しておじさんの家まで送って行った。六時から十時まで――私達にはあんまり短っかすぎた。それでも私はあきらめた様にしてだまってまっさおに光る路を歩いた。私の気持もうす青く光って涙ぐんで居た。

伯父さんの家の門の前で大阪に手紙を出す事、ひまがあったら送って行く事を約束して別れた。たった一人、うす明るい町を歩いて居る私はほんとうにみじめな涙のにじみ出るほど悲しい気持で居た。私の気はもうこの上なしと云うまで亢奮してしまった。思いがけなくあった嬉しさ、あの人が女優の弟子になったと云う事、又大阪に行って暮までは会えない。

そんな事が私の心臓の鼓動を頭の頂上でうたせて居る。一時頃まで私はあの人のかつら下地に結ったかお、引眉毛の目つき、を思って居た。

ウトウトとして目をさましたら七時頃だった。すぐとびおきて私は、退紅色と紅の古い紙に包んだ鏡と、歌と、髪の毛をもってあの人の家にかけて行った。あの人はよそに出て居た。それを縁側に置いて、

「身を大切にする様に、

自分を大切なものに思う様に、

勉強する様に」