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Japanische Klassiker mit Furigana

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どこかにいきながら

どこかに生きながら

小川 未明

Lesen Sie どこかに生きながら (どこかにいきながら) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 4.469 Zeichen · 9 Bildschirme

Aozora Bunko

少女が、また、パンをちぎって投げました。

「こんどは、あんたにあげるのよ。」

母ねこは、前に落ちたのを、はじめて、静かに口へ入れたのであります。

冬の間じゅう、二匹のねこは、このあたりの屋根をすみかとし、終日、日当たりをさがして、歩いていました。そのうち、春となるころには、子ねこは、もうだいぶ大きくなっていました。

町裏に、隣組の人々によって、耕された田圃がありました。そこには、黄色の菜の花が咲いていました。他の人には、気を許さなかった子ねこも、かわいがってくれる少女には、なつくようになりました。

そのころ、白い雲のあわただしく走る、空の下で、子ねこは、菜の花にとまろうとする、白い胡蝶を葉蔭にかくれて、ねらっていました。こうして、ふたたび、地上に降りても、いままでのように、母ねこは、後を追おうとせず、なるたけ離れて、気ままに遊ぶ子ねこを見守るというふうでありました。

「もう、じきひとりまえになるのだもの、私は、そうついて歩くまい。」と、いわぬばかりに、目を細くして、子ねこが、うまくちょうをとらえるかどうかと、ながめていました。

これを、またそばから見ていた少女は、子ねこのようすが、あまりかわいらしいので、足音をたてぬよう、うしろへまわり、いきなり抱き上げると、ほおずりをしました。