Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

やぶからし

やぶからし

山本 周五郎

Lesen Sie やぶからし von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.476 Zeichen · 44 Bildschirme

Aozora Bunko

なにしろやぶからしだからな」

「ときに」あの方はすぐに続けた、「昨日の子が二人めなんだね、丈夫そうな可愛い赤んぼじゃないか、おれのあとに来た亭主もいい人間らしいし、さぞ仕合せなこったろうね」

「ひとこと申上げますけれど」

「いや、話すのはおれの番だ」とあの方は首を振った、「おまえは安穏な家と、立派な亭主と、可愛い子供を二人も持っている、そういう仕合せな者は文句を云っちゃあいけねえ、なにか云うとすればこのおれのほうだ」

「いつかいちど」とあの方は大きな物で酒を呷り、おくびをしてから云った、「いつかいちどは聞いてもらいてえと思っていたんだ、うん、あの祝言の晩のことさ」

「そんな話はうかがいたくありません」

「おっと、立っちゃあいけねえ、おれを怒らせちゃあいけねえ、坐ってくんな」あの方の眼が白くなり、歯がむき出された、「――おらあざんげをするんだぜ、あの晩のことは済まなかった、本当に済まなかった、と思ってる、ほんとうだぜ」

どうしたらいいだろう、わたくしはいたたまれなかった。こんなところにながいをしていてはいけない、早く出てゆかなければならない、と思いながら、でもこのまま出てゆけば、あの方がなにをするかもしれない。