Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆずゆ
ゆず湯
岡本 綺堂
Lesen Sie ゆず湯 (ゆずゆ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.255 Zeichen · 27 Bildschirme
万事が案外によく行きとどいているので、近所の人たちも少し気の毒になったのと、もう一つは口やかましい阿母さんがいなくなったというのが動機になって、以前よりは打ち解けて付き合おうとする人も出来たが、なぜかそれも長くはつづかなかった。三月半年と経つうちに、近所の人はだんだんに遠退いてしまって、お玉さんの兄妹はふたたび元のさびしい孤立のすがたに立ちかえった。
それでも或る世話好きの人がお玉さんに嫁入りさきを媒妁しようと、わざわざ親切に相談にゆくとお玉さんは切り口上で断わった。
「どうで異人の妾だなんていわれた者を、どこでも貰って下さる方はありますまい。」
その人も取り付く島がないので引きさがった。これに懲りて誰もその後は縁談などを言い込む人はなかった。
詳しく調べたならば、その当時まだほかにもいろいろの出来事があったかも知れないが、学校時代のわたしはこうした問題に就いてあまり多くの興味をもっていなかったので、別に穿索もしなかった。むかしのお玉さん一家に関して、わたしの幼い記憶に残っているのは先ずこのくらいのことに過ぎなかった。
こんなことをそれからそれへと手繰り出して考えながら、わたしはいつの間にか流し場へ出て、半分は浮わの空で顔や手足を洗っていた。