Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆずゆ
ゆず湯
岡本 綺堂
Lesen Sie ゆず湯 (ゆずゆ) von 岡本 綺堂 (おかもときどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.255 Zeichen · 27 Bildschirme
「なんだろう、こんな小穢いものを……。芸は下手でも上手でも、お祭りには町内の娘さん達が踊るもんだ。こんな乞食芝居みたいなものを何処からか引っ張って来やあがって、お祭りもないもんだ。ああ、いやだ、いやだ。長生きはしたくない。」
こう言って阿母さんは内へついと引っ込んでしまった。お玉さんも徳さんもつづいてはいってしまった。
「鬼婆め、お株を言っていやあがる。長生きがしたくなければ、早くくたばってしまえ。」と、花笠をかぶった一人が罵った。
それが讖をなしたわけでもあるまいが、阿母さんはその年の秋からどっと寝付いた。その頃には庭の大きい柿の実もだんだん紅らんで、近所のいたずら小僧が塀越しに竹竿を突っ込むこともあったが、阿母さんは例の「誰だい」を呶鳴る元気もなかった。そうして、十一月の初めにはもう白木の棺にはいってしまった。さすがに見ぬ顔もできないので、葬式には近所の人が五、六人見送った。おなじ仲間の職人も十人ばかり来た。寺は四谷の小さい寺であったが、葬儀の案外立派であったのには、みんなもおどろかされた。当日の会葬者一同には白強飯と煮染の辨当が出た。三十五日には見事な米饅頭と麦饅頭との蒸し物に茶を添えて近所に配った。