Japanische Klassiker mit Furigana
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わかむらさき
わか紫
泉 鏡花
Lesen Sie わか紫 (わかむらさき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.708 Zeichen · 75 Bildschirme
十六
になりかけた家もござりますなり。
一体何屋の二階から騒ぎ出したとも、どこの内証から、喚きはじめたとも分りません。
一騒ぎ鎮まりましてから、門口では隣ずから、内では部屋々々の御見舞。仲間うち、土地のもの、お客様方に伺いましても、そら、地震だと、轟となったのが、ちょうど九時半、ちとすぎ、かれこれ十時とも申しまして、この山の取着きから海岸まで、五百に近い家が、不思議に同一時刻。
まあまあ、かねて大地震がある、大地震があると申しておりましたので、どこか一軒、神棚から御神酒徳利でも落ちましたのを、慌てて地震と申したのが、家から家へ、ものの五分間ともたちませぬ内に、熱海中、鳴り渡りました儀かとも存じまするが。」
十六
「そういたしますると、東の詰で、山に近い対孝館あたりが、右の徳利一件で、地震の源かとも思われまする。
殊にそれ、湯の噴出します巌穴が直き横手にござりますんで、ガタリといえば、ワッと申す、同一気の迷なら、真先がけの道理なのでござりますが、様子を承りますと、何、あすこじゃまた、北隣の大島楼が、さきへ騒いだとか申します。
それじゃ起因は海の方、なるほど始終、浪が小石を打ッつけます、特別その音でも聞違えて、それで慌てたかとも存じられますが、またそれにいたしますと、北のはずれの菱屋では、南隣がさきへ鳴り立ったと申し