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Japanische Klassiker mit Furigana

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わがまち

わが町

織田 作之助

Lesen Sie わが町 (わがまち) von 織田 作之助 (おださくのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.840 Zeichen · 186 Bildschirme

Aozora Bunko

胃袋で子供うめ言うのと同じだす」

「それ見なはれ」

「しかし、御寮はん、ミルクいうもんが……」

言うと、笹原が、

「ミルクで育った子は弱い」

だしぬけに言った、

「そうだすとも……」

笹原の御寮人は残酷めいた口元を見せて、

「――他あやん、うちはその子貰たらお乳母をつけよ思てまんねんぜ。それに他あやん、あんたその子背負(せた)ろうて俥ひく気イだっか」

「ほな、こいで失礼さしてもらいま。えらいおやかまっさんでした」

他吉が頭を下げると、背中の君枝の頭もぶらんと宙に浮いて、下った。

4

間もなく他吉は南河内狭山の百姓家へ君枝を里子に出し、その足で一日三十里梶棒握って走った。

里子の養育料は足もとを見られた月に二十円の大金だ。なお、婿の新太郎が大阪に残して行った借金もまだ済んでいない。

他吉の俥はどこの誰よりも速く、客がおどろいて、

「あ、おっさん、そないに走ってくれたら、眼エがまう。もうちょっと、そろそろ行(や)って貰えんやろか」

と、頼んでも、

「わたいはひとの二倍、三倍稼がんならん身体だっさかい、ゆっくり走ってられまへんねん」

辛抱してくれと、言って振り向いた眼の凄みに物を言わせて、他吉はきかなんだ。