Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 26.767 Zeichen · 54 Bildschirme
貧弱なところだなんていったのは取り消してもいいわ」
キャラコさんは、うれしくて胸がドキドキしてきた。
「フライにして、レモンをかけて喰べてもいいし、塩焼きにしてもいいわね。利用の方法はいくらでもあるわ。それはそうと……」
それはそうと、この虹鱒をどうして捕まえようというのです。気をきかして、虹鱒が自分からフライ鍋の中へはいってくるなんてことはとても期待ができない。いずれにしろ、釣るとか捕まえるとかするほかはないのだが、綸もなければ鈎もない。網の代用になるようなものも思いつかない。
キャラコさんは、無念そうな顔をして水の面をにらみつけていたが、なかなかいい考えがうかんで来ない。
「……困ったわね。こんなたいへんなご馳走が目の前で泳いでいるというのに、手も足も出ないというのはあまり情けないわ。なんとかならないものかしら」
虹鱒は、キャラコさんをからかうように、すぐ眼の前で水の面へ飛び出して、ボシャンと大きな音をたてて水の中へ落ち込む。キャラコさんは、腹を立てる。
「そんなふうにたんと馬鹿にしていらっしゃい。いまに、つかまえてあげるから……」
キャラコさんは、川下のほうを眺めながら、腕を組んで、かんがえる。