Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.444 Zeichen · 30 Bildschirme
はじめ、キャラコさんは、見知らない人間が書机などをいじっているので、腹を立てたのだろうと思ったが、間もなく、かけすはじぶんと遊びたいのだということを了解した。
キャラコさんは、うれしくなって、大きな声で笑いだす。
「懸巣さん、こんちは。……なかなかお愛想がいいわね。……あんた、ひとりで、淋しいのね。それで、遊んでほしいのでしょう?」
かけすは、止まり木の上で、ちょいと首をかしげる。
キャラコさんは、手提げの中から銀貨をひとつとり出して、それをかけすのほうへ放ってやる。
かけすは待ちかまえていたようにツイと宙で受けとめ、一・二分嘴で啣えていたのち、それをそっと書机の端においた。
キャラコさんは、面白くて夢中になってしまう。
今度は、銀貨を四つ取り出して、それを、一つずつ、次々に放ってやった。
かけすは、それをひとつも取り落とさずに見事に受けとめ、散らからないように一枚ずつキチンと机の上に重ねる。
キャラコさんが、手を拍く。
「やァ、お見事おみごと。……たいへん、お上手ですわ。……ほんとうに、お利口なかけすさんだこと」
うしろに、のっそりと人が立った気配がする。