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Japanische Klassiker mit Furigana

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キャラコさん

キャラコさん

久生 十蘭

Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 32.972 Zeichen · 66 Bildschirme

Aozora Bunko

「あなた、あの音、なんだか知っている? ……あれはね、保羅が、家じゅうの扉や窓を釘づけにしている音なの。……キャラコさん、あなた、もうここから帰れないのよ」

と、叫び立てると、邪悪な喜びを隠し切れないといったふうに、また火のついたように笑いだした。

キャラコさんは、なだめるような口調で、いった。

「こんな嵐では、どっちみち、泊めていただくほかはないわ。……あれは、保羅さんが、鎧扉が飛ばないようになんかやっている音よ。おどかそうたってだめ」

レエヌは、ふん、とせせら笑うと、病人とは思えないようなドスのきいた声で、

「善人は善人らしいのんきなことをいってるわね。……おどかしなもんか、本当だイ。……要するに、あんたは、あたしたちの餌食になるのさ。べつに、どうってことはありゃしない」

キャラコさんは、あっけにとられて、

「ね、どうしたのよ、レエヌさん。……すると、自殺しそこねたというのは、嘘だったのね」

「ヘッ、ばか! ……あたいの頭をごらん。どうかなっているかい?」

まるで、手に負えないのだった。

「……では、あのお手紙も……」

レエヌは、ニヤリと笑って、

「あんな手紙、だれが本気で書くもんですか。