Japanische Klassiker mit Furigana
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キャラコさん
キャラコさん
久生 十蘭
Lesen Sie キャラコさん von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 14.122 Zeichen · 29 Bildschirme
……よろしいか。要するに、あれは一艘のヨットでしかない。毎朝、きまった時間にやって来て、きまったところに停まっているヨットに過ぎない。……それが、どうしたというんです? 放ってお置きなさい。やりたいようにやらせようじゃないか。どっちみち、われわれには関係のないことです、エヘン」
これには、みな、噴きだしてしまう。
あまり腹の皮を捩ったので、ヨットのことなど忘れてしまう。
三人のうちで、いちばんこだわっていた鮎子さんが、まっ先にザブンと水の中に飛び込んで、クロールで浮筏のほうへ泳いで行く。
「やったな!」
一斉に水の中に飛び込む。すさまじい競泳になる。
陽気なピロちゃんが、鮎子さんの腹の下を潜り抜けて、筏のすぐそばで海豹のようにひょっくりと顔を出す。間髪をいれずにえらい水飛沫をあげながら、鮎子さんとトクさんが到着する。芳衛さんだけは途中で棄権して、ゆっくりと平泳で泳いで来る。
筏のまわりに、今日は一人も女の子がいない。浜じゅうのお嬢さんたちは、四人の青年隊に手ひどく沈めにかけられ、すっかり懲りて誰も寄りつかなくなってしまった。
そこで、止むを得ず、四人だけで仲良く筏のうえに攀じ登る。